FAMA(Fractal Adaptive Moving Average、フラクタル適応移動平均)は、トレーダーでありエンジニアでもあるJohn Ehlers(ジョン・エーラーズ)によって考案されました。

彼は、マーケットのフラクタル特性に基づいたより適応性の高いインジケーターを開発することを目指し、FAMAを作り出しました。

このインジケーターは、価格変動に対して迅速に反応しつつも、ノイズを抑えることで、トレンドの確認を容易にすることができます。

FAMAの計算方法を理解しよう

FAMAの計算方法は、EMA(指数移動平均)と似ていますが、適応性を持たせるためにフラクタル理論を取り入れています。具体的には、以下のステップで計算されます:

  1. 価格データに対して、一定期間の標準偏差を計算します。
  2. この標準偏差を利用して、価格の変動幅を計算します。
  3. 変動幅に基づいて、適応係数を求めます。
  4. この適応係数を使って、FAMAを計算します。

これにより、FAMAは価格の急激な変動に迅速に対応しつつも、通常の価格変動には過度に反応しないように調整されます。

FAMAを使った効果的な取引手法

FAMAを用いた取引手法の一つは、クロスオーバー手法です。短期FAMAと長期FAMAを組み合わせ、短期FAMAが長期FAMAを上回ったときに買い(ロング)エントリー、逆に下回ったときに売り(ショート)エントリーを行います。

これにより、トレンドの転換点を見極めやすくなり、より効果的な取引が可能になります。

また、ストップロス(損切り)の設定にもFAMAを活用し、リスク管理を行うことができます。

FAMAのメリットとデメリットを知ろう

メリット:

  • フラクタル理論を基にしているため、価格変動に対して迅速かつ適応的に反応する
  • ノイズを抑えながらトレンドを明確に把握できる
  • 自動売買システム(EA)での利用が簡単

デメリット:

  • 計算がやや複雑であるため、手動での計算は難しい
  • トレンドがない相場では、誤ったシグナルが発生しやすい

FAMAと相性抜群のインジケーター

FAMAは、RSI(Relative Strength Index、相対力指数)やMACD(Moving Average Convergence Divergence、移動平均収束拡散手法)と非常に相性が良いです。

RSIを使って相場の過熱感を測り、MACDでトレンドの方向性を確認しながら、FAMAでトレンドの強さを把握することで、より精度の高い取引が可能となります。

これらのインジケーターを組み合わせることで、より信頼性の高いトレード戦略を構築できます。

FAMAを活用したFX取引のまとめ

FAMAは、価格変動に対して迅速かつ適応的に反応する優れたインジケーターです。

John Ehlersによって考案されたこの手法は、フラクタル理論を基にしており、ノイズを抑えながらもトレンドの把握を容易にします。

他のインジケーターと組み合わせて使用することで、初心者でも効果的にリスクを管理しながら、精度の高い取引を実現できます。